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【売却基礎知識】不動産の媒介契約を徹底解説!
更新日:4月22日
不動産を売却するときに不動産会社と結ぶ契約のことを【媒介契約】といいます。
媒介契約には【一般媒介】【専任媒介】【専属専任媒介】の3種類があります。
媒介契約の選択は適正価格での売却やスムーズな売却をする上で重要な要素になります。
ベストな選択をするために特徴をしっかり理解して納得できる選択をしましょう。
目次

一般媒介について
一般媒介契約の特徴は、複数の不動産会社と媒介契約でき、自分でも直接取引ができます。
不動産会社を1社に絞る必要がないため、不動産会社選びでの失敗リスクも軽減されます。
「明示型」と「非明示型」
一般媒介契約には、「明示型」と「非明示型」の2種類があります。
「明示型」は、依頼する不動産会社に対して、他に仲介を依頼している会社の情報を明らかにする必要があります。
これに対して「非明示型」は、他の不動産会社に仲介を依頼しているかどうか明らかにする必要はありません。
いちいち全部に知らせるのは面倒だから非明示型がいいな…( ˘ω˘ )
・・・と思いがちですが、おすすめは「明示型」です。
「非明示型」は、不動産会社からすると、他にどれだけライバルがいるか把握できず、営業戦略が立てにくくなります。
その上、「あなたの会社を信頼していない」といった意味に受け取られる可能性があり、積極的に売却活動をしてもらえない可能性があります。
特別な事情があり、情報を明らかにしたくない場合以外は「明示型」がおすすめです。
周囲に知られず売却
一般媒介契約は、指定流通機構「レインズ」への登録義務がないため、
周囲に知られずに売却を進めることができます。
指定流通機構「レインズ」は、物件情報を登録することで、販売状況を全国に公表することができるので取引チャンスが増えますが、逆に多くの人の目に触れることとなります。
一般媒介契約の場合は、レインズへの掲載を希望するかどうか、媒介契約締結前に不動産会社に伝えましょう。希望する方は、契約書の中に物件情報をレインズへ登録する旨を追加してもらいましょう。
物件次第で販売活動が左右される?
一般媒介契約は、人気物件ならすぐに売買成立できる可能性が高いので何とか自社で成約させようと不動産会社同士の競争原理が働きます。各不動産会社からの複数の購入希望者から好条件の購入希望者を選ぶことで、より良い条件で売却できる可能性があります。
逆に、人気物件以外は、不動産会社が一生懸命営業をしても他社にとられる可能性があるため、積極的な売却活動が行われない傾向にあります。
これは、広告費をかけて販売活動を行っても他社が先に買主を見つけてしまった場合、不動産会社は、仲介手数料を得られないばかりか広告費がマイナスになってしまうからです。
一般媒介を契約するか判断に迷った際に、売却物件が「人気エリアにあるか」「築浅であるか」など、物件の特徴によって判断することをおすすめします。
販売状況が分かりにくい・・・
一般媒介契約は、売主に対して売却活動の報告義務がありません。
活動報告は、「どんな販売活動をしているか」「何件問い合わせがあったか」「何組の内覧があったか」といった情報がもらえ、買い手の反応を把握することができます。
しかし、一般媒介契約は不動産会社からのこういった報告がないため、
把握するためには、自ら不動産会社へ売却活動の情報を確認する必要があります。
専任媒介契約について
専任媒介契約とは、不動産会社1社とのみ契約を結び、自分でも直接取引することが認められています。
任せられた不動産会社は、自社だけに任せられた責任から一生懸命営業活動をしてくれることが期待できます。
レインズ登録と販売活動報告は義務!
一般媒介契約と違い、契約日から7日以内に指定流通機構「レインズ」に物件を登録することが義務付けされています。
契約締結後、その物件の住所・価格・面積・間取り・階数・図面などをレインズに登録し、全国の不動産会社へ情報を共有します。
他の不動産会社が顧客の購入希望条件を入力してその物件が該当すれば、その不動産会社がその物件の担当の不動産会社に問い合わせて、売買取引のやりとりをしていきます。
こうしてレインズを通すことで買主をスピーディに見つけやすくなります。
また、2週間に1回以上売主に販売状況を報告する義務があります。
「レインズの登録は完了したか」「どのような広告活動を行っているか」「物件への問合せが何件あったか」「内覧が入ったか」といった報告が2週間に1度入るので、
いま物件が売れそうかどうか、定期的に知ることができます。
窓口が1つでやり取りが楽
専任媒介契約は、1社の不動産会社とのみ契約を締結するため、一度契約をすれば、1社とのみやりとりをすれば良くなります。
一般媒介契約のように、複数の不動産会社の営業担当とやりとりが必要になると、その分時間が取られたり、連絡の量が増えたりし、忙しい人にとっては手間がかかって大変だと感じるかもしれません。
専任媒介契約なら、契約をしている不動産会社が一括してやり取りしてくれるので、連絡の手間も省け、状況の把握もしやくなります。
逆に考えると、その契約した不動産会社の販売力が低いと売却が遠のいてしまうので、
不動産会社選びは慎重に行う必要があります。
駅から遠かったり、郊外にある売れにくい物件の場合は信頼できる1社に任せることで
より良い条件で売却できる可能性がある専任媒介がおすすめです。
専属専任媒介について
専属専任媒介も専任媒介と同じく、不動産会社との契約は1社のみです。
専任媒介と違う点は自分で直接取引ができないということです。
直接取引ができないので家の売却に関しては完全にその一社に一任することになります。
その代わり、任せられた不動産はその期待に応えるためにも最大限の売却活動を行うことになります。
不動産会社は契約日から5日以内に指定流通機構「レインズ」に物件登録と
1週間に1度以上の販売状況報告義務があります。
そのためスピード感があり比較的売れやすいのが特徴です。
自身での直接取引もできないので全て任せられる不動産をより慎重に選ぶ必要はあります。
まとめ
ここまで3種類の媒介契約をご紹介してきました。
もし、どの媒介契約がいいのか迷っている方のためにおすすめをご紹介します。
「不動産を内緒で売却したい人」「時間をかけてより良い条件で売却したい人」「複数の不動産会社とのやり取りが可能な人」「売却物件が築浅・人気エリアの人」は、
一般媒介契約がおすすめです。
専任媒介契約、専属専任媒介契約は3か月以内の契約期間があります。
不動産会社に非がない限り、基本的に契約解除ができませんが、一般媒介契約であれば、いつでも契約解除が可能です。
いつでも解除できるという特徴を利用し、一般媒介契約で複数の会社とやり取りをしてみて、信頼のできる相性のよい会社が見つかれば、その後、専任媒介・専属専任媒介へ切り替えれば、不動産選びの失敗なく売却活動ができます。
専任媒介契約は、媒介契約の中で最もバランスの取れている契約です。
不動産会社にある程度積極的に営業活動を行ってもらいつつ、自分で買主を探すことができ、他2つの契約の良いところをかけ合わせた契約となっています。
複数の不動産会社とのやり取りがなかなか難しかったり、売却はできるだけプロに任せてスムーズに売却したい人は専任媒介契約がおすすめです。
とにかく早く売りたい人は、不動産会社の積極的な販売活動を期待できるため、
専属専任媒介契約がおすすめです。
忙しいのでなるべく手間を避けたい人や、売却は不動産会社に全てお任せをしたい、自分で買い手を探す予定はないという方は専属専任媒介が向いています。
また、築古・人気エリアではない・・・等、あまり条件が良くない物件であれば、専属専任媒介契約で手厚いサポートを受けて売却活動をしてもらうことをおすすめします。